大学職員の生活改善ねた

大学職員が有志で集まり、日々の仕事に役立つ情報を発信、共有していきます。仕事に直結するもの、ガジェット情報、日々の雑感、など

社会人3年目くらいでしておくこと

管理人Iです。先日から大学職員を目指す方や新人大学職員に向けでの記事を投稿しています。今回は社会人3年目くらいの方に向け、日々の仕事と充実や今後のキャリアをより豊かにするために、おすすめしたい行動や物事の考え方について私の独断と偏見に基づいたご紹介をしようと思います。

 

①自分の部署以外の仕事内容を学んだり、他部署の方と交流をする

自身の所属する部署に関連する事柄には知識を少しずつ深めておられるでしょう。ですが、少し余裕が出てきた際には、自分の部署以外の仕事内容にも目を向けてみましょう。組織図を見てみる、他部署の業務分掌を見てみる、他部署の方と交流を図ってみる、などなど自分の職場の中にも知らないことはまだまだあることに驚きます。そんななかで「次はこんな部署に行ってみたい」などイメージしてみることも楽しいことですよ。そして、他部署の方に自身の名前や顔を覚えてもらうことで、そうした異動希望も叶うかもしれません。自分の職場での人脈を形成することは非常に有意義です。積極的に自分をセールスしてみましょう。

 

②同業他社の方と交流を持ってみる

業界にもよりますが、大学の業界は業界内での交流が比較的盛んです。大学行政管理学会や大学教育学会などの学会に入会し、勉強会に参加してみる、一方的な勉強会だけではなく、ワークショップなどにも参加してみることは有効でしょう。若手・中堅職員で定期的にミーティングや勉強会を開催していることもあったり、時には企画運営に関わることもできます。そうしたなかで自分の職場とはまた違う人脈ができます。私は思い切ってそうしたところに所属し、企画運営などにも関わっていますが、感じることは他大学の職員さんは非常に優秀な方が多いということ。そうした方から常に刺激を受けていることで、知見が豊かになっていると日々実感しています。

 

③最新の業界の動向を把握しておく

自分の部署の仕事に関する事柄はもちろんですが、最新の業界の動向にも目を向けていきましょう。大学職員なら、文部科学省の答申関係、高等教育の施策関連はもちろんですが、内閣府総務省が発信している未来の社会、国づくりに関する施策やICT政策にも目を向けておくことをお勧めします。また総務省が公表している人口推計や家計調査などの各種統計関連も参考になります。社会構造の変化は必ず高等教育の場に下りてきますので、その変化を捉えて、次の社会変化を見据えた高等教育の在り方を自分なりに考えてみましょう。

 

④業務改善提案をしてみる

仕事に余裕が出てくると、自身の仕事や部署での仕事の進め方に疑問を感じたり、より効率化できる方法に気が付くこともあります。そうした疑問や新しいことはどんどん提案をしてみましょう。若手の提案に耳を傾けてくれたり、大切にしてくれる組織、意見を誰もが出し合える組織はいい組織だと個人的に感じています。もちろん過去に同じ提案があり、それが実現できなかった背景もありますので、言葉選びには注意をしないといけませんが、より仕事の質を上げたり効率化するための必要なことは積極的に発信しましょう。アイデアは心の中に留めているだけでは意味がありません。思い付きでもいいので他者に伝えないと一向に状況は変わりません。上司に言うのが難しければ先輩でもいいので発信することを大切にしてみましょう。

 

⑤自身のキャリアビジョンについて考えてみる

自分である程度仕事ができるようになってくれば、自身の今後についても考えていかれる方も出てくるでしょう。同じ部署で仕事を続けより専門性を高めていきたい、他の部署を経験したい、思い切って同業他社や、全く別の業界に転職してみるという選択肢もあるでしょう。自分がまず10年後どうなっていたいか、を意識してみてください。いまはドラスティックに世界が変化しています。20年後、30年後まではまだわからなくてもいいと思います。若いうちなら転職も容易です。ぜひ前向きなキャリア形成を考えてみてください。

 

いかがでしょうか。今回お伝えしたことは実践されている方も多いと思います。社会人3年目くらいは大切な時期です。この貴重な時間を無駄にしないように過ごしていただくためのヒントにしていただければ幸いです。

 

【管理人:I】

[JUAM]大学改革研究会 2021年度新人・若手職員懇親会の開催のご案内(4/17@Google Meet)

管理人Iです。

今回はこの場をお借りして、大学行政管理学会、2021年度新人・若手職員懇親会のご案内をさせて頂きます。

この企画は新人・若手の大学職員の方にお集まりいただき、大学の垣根を超えた交流を図っていただくことを目的としたオンライン上での懇親会です。

この4月に晴れてご入職をされた新入大学職員の方もぜひご参加をお待ちしております。

 

以下、詳細のご案内です。下記申込フォームからぜひご参加ください!

 

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大学改革研究会 代 表 堀 佑二 (獨協大学
        副代表 白藤 康成(京都産業大学
        副代表 江尻 裕一(中央大学


大学改革研究会 2021年度新人・若手職員懇親会の開催について(ご案内)

大学改革研究会では、2021年度も新人・若手職員懇親会を開催します。
今回も、昨年度に引き続き、オンラインで開催いたします。
情報交換や世間話をしつつ職員同士でのつながりを作り、
今後の大学業界を考えていくためのきっかけにしてもらえれば幸いです。

大学行政管理学会非会員の方の参加も歓迎いたしますので、
是非この機会に奮ってのご参加をお待ちしております。
なお、大学改革研究会は関西支部・東海支部関東支部に分かれておりますが、
今回は関西支部と関東支部が同日に開催します。
支部ごとの一言欄を参考に、参加支部を決めていただければと思います。
支部は、オンライン以前での運営側の所属大学の区分けのため、
あまりお気になさらないでください。関西の大学の方が関東支部の会に
参加するなども大歓迎です。)
全国からの参加をお待ちしております。

【開催概要】
日 時:2021年4月17日(土)18:00~20:00
内 容:オンラインツール(Google Meet)を用いた情報交換
定 員:各支部30名程度
対 象:新人・若手の大学職員
   (若手職員と交流を持ちたい中堅以上の職員の方もご参加を歓迎します)
参加費:無料(通信料などは、各自ご負担ください)

お申込:https://forms.gle/iTCmAvzrhnvHstAT8 (4月9日(金)まで)

申込の際の諸注意:
※各支部で開催内容が異なりますので、必ず下記の各支部の情報をご覧ください。
※申込の際には、参加支部の選択が必要です。入力にお間違いのないようご注意ください。
※懇親会のため、顔出しOK、マイクOKの方のみご参加ください。
※申込の際に、Google Meetを使用する関係上、Gmailアドレスをご入力いただきます。
 Gmailアドレス(Googleアカウント)をお持ちでない方は、アカウントの取得を
 お願いします。
※定員に到達次第、締切前であってもお申込受付を終了することがございます。
 予めご了承ください。

【関西支部
時 間:18:00~20:00
ツール:Google Meet
連絡先:houjixyou.miki(a)juam.jp関西福祉科学大学 北條 樹)
    ※メール送信の際には、(a)を@に置き換えてください。
一言欄:参加者全員でのクイズや、グループでのアイスブレイク、1対1での企画など
    盛りだくさんの内容となっています。全国の若手職員はぜひご参加下さい。
    ※懇親会終了後、興味のあるテーマごとに分かれて語れる二次会も開催(22:00まで)。

【関東支部
時 間:18:00~20:00
ツール:Google Meet
連絡先:risarish(a)gmail.com東邦音楽大学 川口 理紗)
    ※メール送信の際には、(a)を@に置き換えてください。
一言欄:関東支部では、4人程度で1グループをつくり、長めの時間をとってグループで
    じっくりと話ができる機会を設けます。
    関東地方のみならず、全国からのご参加をお待ちしております。

お申込:https://forms.gle/iTCmAvzrhnvHstAT8 (4月9日(金)まで)

参加の際の備考:
※カジュアルな服装でご参加ください。
※飲食については、基本自由です。あらかじめご用意のうえご参加ください。
※欠席の場合は、必ずご連絡をお願いいたします。

以 上

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自大学の同僚やお仲間をお誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください!

 

【管理人:I】

新社会人&新入大学職員の皆さまへ①

管理人Iです。3月の当ブログは就職活動解禁に合わせ、大学職員を目指す学生の皆さまへ記事を書いてきました。そちらのシリーズは今後も投稿してきますが、4月一回目の投稿ですので、新社会人そして新たに大学職員になられた方に向けての記事を書きたいと思います。

4月になり、ブラックのスーツに身を包んだ新社会人を見かけるようになりました。私もその当時の新鮮な気持ちを今でも思い出します。そして、新社会人を陰ながら応援したいといつも思います。

 

①最近の若手社会人に感じる印象

最近、自分より10歳近く離れた若手の社会人を見ても非常に優秀な方が多いと思います。理論的に物事を考えて話ができたり、近年のオンラインツールに非常に詳しかったり、そして何といってもコミュニケーション能力が高いということ。自身が社会人3年目までの頃は先輩ともうまくコミュニケーションを取れていなかった記憶があります。「ゆとり教育」などと揶揄されていた時代で学生時代を過ごしていた世代ですが、実はコミュニケーション力が高く、適応力が高い世代なのではないかと感じています。それは大学入試制度の改革やアクティブラーニングなどで自分の意見を人前で話す機会が増えていることが影響しているのではないかと感じることもあります。(あくまで筆者の個人的感覚です。根拠になりそうなデータがあったら教えてください。OECDPISA調査では日本人の15歳生徒では読解力の点数に関して回毎にランクを下げています)

 

②希望の部署への配属にならなかった方へ

採用面接で希望の部署を聞かれることも多いです。そして採用面接に備え、企業研究を入念に行い希望の部署をしっかりと面接で伝えることがで方も多いはず。なのに、実際の配属は自分の希望通りじゃなかったという方も多いのではでしょうか。そしてそんな方は4月が始まったばかりなのにブルーな気持ち、「この先自分は希望の部署で仕事ができる機会があるのだろうか」と不安な気持ちでいっぱいの方も多いのかもしれません。その気持ち、非常によくわかります。筆者も若い頃はそんな気持ちでした。ですが、発想を変えてみましょう。「人事は自分の希望通りにならないもの」と思いましょう。人事や採用側も適当に配属を決めているわけではありません。適性を見ながらできるだけ適切な部署に適切な人材を配属しようとしている訳です。もちろんその時のポジションの空き状況、組織が人材を投入したい部署も変わっていきますので、配属というのは簡単に決まることではありません。

なので、若手社会人の間はまずはその部署で仕事をしてみましょう。定められた手順やルールに従いながら、確実に仕事をこなせる人材になりましょう。自分らしさはその後です。「どんな仕事も基本になる仕事がある。自分の意見や提案を通していきたいのであれば基本の仕事がしっかりできていないと誰も意見や提案を聞いてくれない」と、大手学校法人の常務理事の方が仰っていました。まずは自分という存在が説得力のある人材になれるように日々の仕事に丁寧に取り組んでいきましょう。そして時期を見極めて自分のしたい仕事や希望する部署を上司や同僚に伝えてみましょう。希望の部署に配属にならなくても焦らず、複数年単位で希望を叶えましょう。人事はあなたの納得感ではなく、組織の納得感です。この人をこの部署に配属してよかった、この人ならどこの部署でも活躍してくれそうだと思ってもらえることを目指しましょう。

※この記事に関連して、これから大学職員を目指す方に向けて、大学にはどんな部署があるのかを紹介する記事も今後書いていきたいと思います。

 

③まだまだ仕事に慣れず日々戸惑っている新入社員・職員の皆さんへ

日々戸惑いばかりの新入社員・職員の皆さんへ一つアドバイスをします。少し行動のパターンを変えてみましょう。お昼休みの時間、昼食を食べてそのままその場所でスマホを触ったり、午後に備えてお昼寝をしていませんか?私がお勧めするのはオフィスの周辺を少し散歩してみることです。そうすることでどんな人がそこで働いていて、どんなお客様や学生がいてという姿が見えてきます。無理に話しかける必要はありません。10分だけでも散歩してみることで、新しい発見ができます。そして自分の席に座りっぱなしで指示待ちになることをやめましょう。できるだけ先輩のそばにいてどんな仕事をされていてどんな風に周囲とコミュニケーションを取られているかを見ましょう。雑談に混ざってみるのも手です。そうした小さな時間の使い方が大きな違いになるかもしれません。

 

 

とはいえまだまだ4月は始まったばかりです。まずは生活のリズムを整え、元気に職場に通勤しましょう!そしていっぱい失敗をしましょう。失敗できるのも今だけの特権です。皆さんの新たなスタートを応援しています!

 

<参考>

異動の7割は「希望通りにいかない」法則 いい人事は"本人予想外、周囲納得" | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

【管理人:I】

大学職員を目指す学生へ④

管理人Iです。

3月は就活シーズンということから大学職員を目指す学生に向けた投稿をシリーズ化して行っています。今回はその第4弾ということで大学職員への就活に向けたアドバイスをQ&A形式で綴っていきます。

 

Q.1 大学職員への就職が本命ですが、他業種も就活した方がいいでしょうか?

A.もちろんです。大学職員(学校法人)の新卒での採用予定は多くても10名程度。大手法人になれば採用予定倍率も数十倍から数百倍になると思われます。他業種も候補に入れながらの就活を強くお勧めします。いくつかの業界を比較してみることで大学の取り巻く状況がもっとクリアに見えてくるでしょう。これまでの当ブログの記事も見て頂いて業界研究を進めてください。現役の職員ならではのリアルな視点でお伝えしていますよ。

 

Q.2 新卒では無理だったとしても、中途から大学職員になれますか?

A.なれます。近年、大学職員は中途採用が進んでいます。その中でも大きく2つに分けられます。

①新卒求人に第二新卒も応募できるパターン

 リーマンショックあたりから雇用の柔軟化、若年層への雇用機会の充実の観点から第二新卒者でも新卒求人に応募が可能になってきました。大学も例外ではなく、大学の採用においても第二新卒者も新卒者と同じ枠で応募できます。この場合ですと社会人経験をプラスにできるか、なぜ就業してすぐに転職をするかを説明できなければ内定には近づかないでしょう。

②40歳くらいまで応募できるパターン

 いわゆる中途採用枠です。これまでの職歴を踏まえ、「なぜ高等教育の世界で仕事がしたいのか」「これまでの経験からどのように高等教育の業界で何ができるのか」ということをアピールする必要があります。こちらも高倍率が予想されます。試験形態は面接のみ、筆記試験を伴うものなど法人によって様々ですが、社会人でSPIなどから久しく離れている人は対策が必要でしょう。

 

筆者の感覚になり恐縮ですが、大学職員の世界では近年中途採用が積極的に行われています。どうしても閉鎖的な組織運営になりがちな大学において、他業種の経験がある方を積極的に採用することで新しい考え方を経営に生かしていきたいという狙いがあります。中途採用のチャンスも視野に入れながら、幅広い業界を見られることをお勧めします。新卒でしか入れない業界もまだ多いので、まずは経験を重ねてから高等教育の世界を俯瞰して見てみることも大切なのではないでしょうか。

 

Q.3 何をポイントに大学の業界研究をすればいいの?

A.まずは大学の特色を掴みましょう。展開されている学部・学科の系統や3ポリシーを見ると、各大学・法人の理念や教育目標は大きく異なります。「国際化」「医療」などそれぞれの大学の教育理念や目指すところは様々であることに気がつきます。そして筆者の個人的見解ですが、今後の発展性はとても大事な観点です。これまでの記事も投稿しましたが、確実に縮小する業界なので経営統合、法人の解散は進みます。今後の時代を生き残っていくための改革が進んでいるかもチェックポイントとしては大切です。2013年度から私立大学等改革総合支援事業が始まっているように、特色ある大学運営がされている大学には補助金が交付されるなど、規模に応じた一律支援の時代は終わりつつあります。こうした制度に対応している大学を選んで行くのも大切でしょう。

「とにかく大学職員になれるならどこでもいい」という方は応募が出ている所を受けまくりましょう。今は運営が上手く行かなくてもあなたの手で変えていけばいいのですから。

 

Q.4 業界研究で見たほうがいいものは?

A. 大学・法人のHPを見ると情報量は膨大です。私は業界研究時には各法人の財務諸表、事業計画書、事業報告書、自己点検・評価報告書あたりをよくチェックしていました。なかでも自己点検・評価報告書は自大学の取組をどのように自分たちで評価しているかが見えるので読めば読むほど面白いです。各章ごとに筆者が変わることも多いのでニュアンスの違いなども楽しむことができますよ。

 

Q5. 自分の母校でなくても採用してもらえるか?

A. 採用してもらえます。Q.2でもお伝えしましたが採用において新しい風を入れてくれる人材が歓迎される風潮があります。その為に自大学出身者以外も求められています。客観的に大学の状況を見て、自分なりの意見を言える人材を目指しましょう。


まだまだお伝えしたいことはありますが、今回はこの辺で。時代の変化に伴い、大学職員の働き方・求められる人材像も変わってきています。採用の手法も変わってきています。「楽そうだから」「安定してそうだから」「事務がしたいから」という理由では今後を力強く生き抜いていける大学職員にはなりにくいでしょう。「出る杭は打たれにくい時代」になっています。変化を敏感に捉え、専門性を元に提案をできる人材が歓迎されています。逆に言うと旧態依然とした採用をやっているところは思うような仕事ができないかもしれません。結局のところ職場に何を求めるかなのですが。

 

当ブログは大学職員を目指す皆さんを応援しています。これからもこうした記事を投稿しますのでぜひ引き続きご覧ください。

 

参考:

「私立大学等改革総合支援事業」にみる私学助成の現状 | CHIeru.WebMagazine

 

 

【管理人:I】

大学職員を目指す学生へ③

 

このブログでは現在、「大学職員を目指す学生へ」というテーマで、複数の大学職員によるリレー投稿が続いています。

 

この記事はその三本目です。

最初に、これまでの二本をサッと振り返ります。

 

一本目は管理人I氏より。大学という組織の特殊性や大学の外の環境について述べており、業界研究の重要性に言及しています。

daigakushokuin2020.hatenablog.com

 

二本目はN氏より。信頼残高を増やすために入職後にどのようにふるまえばよいか述べています。入職後もさることながら、普段からだれでも心がけておきたいことですね。もちろん、採用にあたっても。

daigakushokuin2020.hatenablog.com



さて、三本目となる今回では大学職員の「専門性」に焦点をあてつつ、大学職員を目指す学生の方へメッセージを送ってみたいと思います。

 

メッセージは三点です。

 

 

 

 


①答申や審議まとめから国の文教政策の方針を理解しましょう

日本の教育のかじ取りを行う省庁である「文部科学省」の一番えらい人である「文部科学大臣」に対して、教育や学習に関する大事なことを話しあい、意見を述べる「中央教育審議会」という組織があります。さらにその下部組織として「大学分科会」ってのもあります。この分科会では大学のことを中心に話し合います。

 

この中央教育審議会や大学分科会の出した答申や審議まとめには目を通しておくとよいです。

「大学業界でどのようなことが起きていて、今後何を解決していかなければならないのか」がわかり、業界研究につながります。

知らない単語・業界用語も出てきますが、せっかくなので検索して勉強してみてはいかがでしょうか。

「全部読む時間なんてない!」という忙しい方は、概要だけでも理解しようとすることをオススメします。上記赤字の背景と課題に関するクエスチョンの答えを探すことを目的にして、概要をつかみましょう。

さらに、答申や審議まとめに対する自分なりの意見があるとなおヨシ!です。

 

例えば、大学分科会が2月上旬に以下の審議まとめを出しています。

www.mext.go.jp




②ご自身の専門性と採用されてから行う仕事とを結びつけて考えましょう

上記の審議まとめから、大学職員の「専門性」の箇所を抜粋します。23ページです。

(ちなみに以下で抜き出した箇所の前後にも大学職員の理解を深めるための言及があります。ぜひお目通しください。)

 

「事務職員は、大学経営やマネジメント層の中核となる人材として機能を発揮し、大学経営人材として活躍するなど、変革をリードしていくことが望まれる。いわゆる「事務方」という認識を払拭し、高大接続に係るアドミッション・オフィサーや大学運営IR人材のほか、経営・企画マネジメント、教務、広報専門人材、地域連携コーディネーター、ファンドレイザーなどといった多様な職務において活躍することが期待される。今後、大学等が連携し、新たな役割を担う人材育成に取り組むことが求められる。」

 

今後、(もしくは今すでに)、大学職員はこういった人材(とその育成)が求められると大学分科会は述べています。

 

大学分科会が言うには、大学職員は

「仕事は事務じゃなくて」

「専門性をもって」

「大学経営の中心を担う」

存在です。

 

アドミッション・オフィサー?大学運営IR人材?ファンドレイザー?

 

なんそれ!

 

と思われる方もいると思いますが、これらはすべて専門性を活かして大学の経営に資する専門職人材です。

(すごく雑に言うとアドミッションオフィサーは良い入試や学生募集のあり方を考えて実行する人、大学運営IR人材はデータサイエンティスト的な人、ファンドレイザーは寄付金を集める人です。)

 

企業ではすでに専門性を持つ人材の採用、いわゆるジョブ型採用が進んでいます。新卒採用も例外ではありません。以下の社説を引用します。

www.businessinsider.jp

 

大学業界は企業ほどジョブ型採用が進んでいない印象を持っています。かつ新卒採用ではそこまで専門性を求められない大学も多く存在するでしょう。

 

ただ、この後でも述べますが専門性がなく事務処理しかしない大学職員に未来はありません。遅かれ早かれ必要になるものです。

 

「専門性なんてない!」という方、そんなことないと思います。大学生は124単位(もしくはそれ以上)の学修の中で専門性を身に付けているはずです。

 

自身が学ばれた専門性を大学経営にどのように生かすことができるか考えてみてください。

 

「それでも専門性というには足りないよ!」と思われた方、今から専門性を獲得しましょう。採用試験には獲得が道半ばでも、入職後きっと役に立ちます。


ちなみに上記で抜き出した箇所の前後にも大学職員の理解を深めるための言及があります。ぜひお目通しください。





③事務だけをしたい方は大学職員になるのをやめておきましょう

「大学経営?そんなものは偉い人や先生の仕事だ!事務だけをしていたいんだ!事務!事務!」という方、大学職員にならないことをおすすめします。

 

なぜならその仕事はそもそもなくなる可能性が高いからです。

 

事務処理の多くはAIに代替される可能性が高く、「大学職員の事務処理はすべてAIによって代行可能だ」という主張を見聞きすることすらあります。

(細かい話ですが、事務「処理」というのがポイントです。事務「遂行」なら少し話は変わってきますが、今回はここを言及するのはやめておきます。)

 

冒頭の「大学職員を目指す学生へ①」の記事内で述べられている通り、今後大学はたくさん潰れることが予測されます。

仮に運よく生き残りそうな大学に入職できたとしても「事務だけしたい人材」が生き残れるかは別問題でしょう。

 

そもそもが斜陽産業なのに、そのうえ自ら存在価値が危ぶまれる仕事内容を希望することはやめておいた方が良いのでは、と思っています。



 

と、いうわけで三点のメッセージをご紹介させていただきました。

 

「大学経営がしたいから大学職員になりたい」というアツいハートを持った方が増えてほしいな、と思っています。



【見えないモノを見ようとしがちな大学職員】

新卒で大学職員になってもうすぐ1年③

こんにちは,新入職員Yです。
年度末ですね。部署にもよるかと思いますが,繁忙期のところが多いのではないでしょうか。毎日お疲れ様です。

さて,キリがいいので,新入職員シリーズ(?)は今回で最後になる予定です。

(以下の記事の続きとなります)

新卒で大学職員になってもうすぐ1年① - 大学職員の生活改善ねた

新卒で大学職員になってもうすぐ1年② - 大学職員の生活改善ねた

 

今回は,自分自身の振り返りも兼ねて,新入職員として「やってよかったこと」,「やっておけばよかったこと」を考えてみました。

新入職員は先輩と比べて,知識もスキルも不足していることは言うまでもありませんが,その中でもできることはきっとあるはず!と思います。
春から入職される方の参考になれば嬉しいです。

3つ挙げてみました。順にご紹介します。

報連相
社会人として当たり前のことかもしれませんが,重要性を再認識しました。

例えば…とあるイベント運営を行うことになったとします。
流れとしては,企画書を作成して,会議用資料を作成して,会議に付議して,日程調整して,開催場所を確保して…といったように,イベントを開催,事後対応を完了させる(=最終的なゴール)までに,いくつもの段階を踏む必要があります。

新入職員であれば,最初に先輩から一連の流れを説明してもらうと思いますが,どうしても途中で方向性の確認は必要になるかと思います。

私は何度か,確認をサボったために痛い目を見ています。
・作業の締め切りを過ぎていることに気が付かないまま放置
・途中で方向性を間違えてしまい,修正,作成と二度手間になる

先輩が忙しそうにしているからあとで声をかけよう,と思って後回しにしすぎていると,自分の作業の方向性を間違えていて,軌道修正をかけるのに時間がかかってしまうことがありました。
作業全体の流れ,所要時間を把握できていないうちは,方向性を間違える前に先輩から軌道修正をかけてもらう必要があるかと思います。

②たたき台作成
会議資料などの資料を作成する際,新入職員であれば,「とりあえず」自分の力で作って,先輩に確認してもらう,というのが普通だと思います。
ですが,その「とりあえず」のクオリティが人によってさまざまだと感じました。
たとえば私の場合,「先輩に見てもらうのだから,ある程度のクオリティまで持っていきたい」と思いの元,そのクオリティに持っていくまでにとても時間を要してしまいなかなか先輩にチェックをお願いできないことがありました。
先輩にも,「アドバイスをしたいけれど,まずたたき台を作ってもらわないとどうしようもないし,どこまで進んでいるのかも把握できない」と言われました。
自分としては,「まだ不十分だしこれは調べたらわかるかもしれないからもうちょっと粘りたい…!」という思いもありました。
ですが,それで長時間粘りすぎるのも問題だと思います。調べて短時間で解決することもあれば,先輩に聞かないとわからないこともあり,そのあたりの判断は,新入職員にとって難しいところなのではないでしょうか。

クオリティも大切ですが,まずは「たたき台」をある程度のスピードで完成させることや,進捗状況を報告することを意識していきたいです。


③情報収集
これは,長期的に見て特に重要なことなのかなあと思っています。
文科省の答申や分科会の内容,また身近なところであれば,学内規程や,自部署だけでなく他部署の業務などにも目を向けるようにしていました。(途中からですが)

先にも述べましたが,私は入職時点では大学職員としての知識がほぼゼロに等しい状況でした。
(認証評価?質保証?教学マネジメント?3つのポリシー?補助金?なにそれ。という状況。)
このように知識が不足していると,仕事を進める上でも回り道がかなり必要となりました。

文科省から公表される審議まとめや答申を理解しようと思うと,いくつも知らない単語が出てくるので,その度に調べて意味を理解して…という風に,まるで英語の長文読解の問題を解くような気分になります。
ただ,知らないの単語であっても大体はネット上で調べることで解決しますし,その事項について,自大学でどのように取り扱っているかについては先輩方に聞くことで解決していました。


その流れを続けていると,国から出た方針を,自大学で行っている取り組み→自部署に課せられた仕事→自分の作業へとだんだん落とし込めるようになり,普段から「なんのためにこの作業をやっているのか」を意識しやすくなり,一つ一つの作業へのミスを徐々に減らせるようにもなりました。

まだまだ知らないことは多いですが,日々学んでいきたいです。

大学職員を目指す学生へ②

おはようございます!!大学職員のNです。

先週のブログで大学職員を目指す方へ向けたブログが掲載されておりました。


daigakushokuin2020.hatenablog.com

 

そこで、そのタイトルに関連した記事を書こうとおもいます。今回は私が考える大学職員(社会人)として入職した後に必要な能力の話をしていこうと思います。

以前より他の方々がこのブログに大学職員として必要な能力について様々な記事を書かれております。実は私もそれに関連して、以前こちらのブログに投稿しました。

 

daigakushokuin2020.hatenablog.com

 

ここでは、仕事の能力を「スキル×時間×行動」と表現しました。

それでは、そのスキルの一丁目一番地は何なのかということです。

 

スキルを得るには、それなりの「経験」が必要になると考えます。例えば新入職員の頃は与えられた業務を遂行するだけで精一杯かもしれませんが、経験を積んで慣れれば改善点が見えてきたり、「この業務は●●した方が効率的で学生サービスも向上するのでは?」という意見が出てくると思います。

徐々に経験を積むと、上司からこれまでとは別の業務を任されたり、人によっては新規プロジェクトに参加することで、その人の経験値が更に増えて信頼を得ることで信用度が増していきます。

この信用度を増やすことがスキル向上へのひとつだと考えます。それは信用されていない人には物事を任せたくないからです。世の中でも、信用のある人はたくさん銀行からお金を借りることができるし、逆に信用のない人は借りることはできません。小学校時代、友人にファミコンのカセットを貸したら二度と返ってこなかったという経験はないでしょうか?(笑)そんな友人には二度と大切なものを貸したいとは思えないですよね。

 

では、どのように信用度を増せばいいのか。。。

 

与えられた業務をこなす以外にも、信用度を増加させる方法があります。「戦略的「モードチェンジのすすめ」45歳の教科書 藤原和博 PHP」という書籍に信用の10ケ条というのがありましたので、一部抜粋してお話させて頂きます。

 

①挨拶ができる

②約束を守る

③嘘をつかない

 

①は社会というより人間関係の基本だと思います。でも、意外と出来ていない人多いですよね?恥をさらすことになりますが、私の職場でも挨拶のできてない方が一定数おります。体育会系のような大きな声で挨拶してほしいとまでは思いませんが、せめて相手の顔をみて挨拶するのが気持ちの良い挨拶ではないでしょうか?お笑い芸人の松村邦洋さんが「挨拶にスランプなし」と度々口にされているのを見て、本当にそうだなと実感しています。

 

②につても同様です。学生時代は少々の遅刻は大目にみてもらるかもしれませんが、社会人では御法度です。特に先輩や上司との約束の時間に平気で遅れてくる若手職員を見ているとこちらがハラハラすることがあります。仕事以外でも家族や友人との色んな約束があると思います。「この人は信用できる」と思って話したことが、翌日にはほとんどの人が知っていたなんてことありませんか?社会生活を送る上で、実は小さくても大切な信用の積み重ねをしているんです。

 

③については結構痛い思いをした人やされた人も多いのではないでしょうか?些細な嘘がとんでもない大きな問題に発展してしまうこともあります。私の恥を晒すことになりますが、民間の住宅会社で働いていた頃、お客様についた些細な嘘が、後に上司との会話の中で事実が発覚して大問題になりました。幸い、お客様が寛大で「若気の至り」ということで許して頂けましたが、トラブル対応を誤った典型的な悪い例です。

 

他にもコミュニケーションスキル等必要なものはあると思いますが、まずはこの3つを守っていれば信用が得られていくのではと感じます。

 

また、同時に共感を得ていく必要もあると思います。どんなに良い提案をしても「こいつの言うことは聞きたくないなあ」と相手に受け入れてもられなかったら意味がありません。人間は感情があるので、正論をいうだけでは相手は動いてくれないことがあります。

 

ドラクエやFF、ポケモン等色んなRPG(個人的にはファミコンウルトラマン倶楽部が好き)でも経験値をためてパワーを上げてボスを倒しにいきます。経験値が少ないとボスにやられてしまうからです。

まずはしっかり経験値を上げながら、職場での信用を得ていきましょう。

 

参考文献:「戦略的「モードチェンジのすすめ」45歳の教科書 藤原和博 PHP