アンケートのメリット・特殊性・限界は何か(その①)
「KKD」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
「クリスピー・クリーム・ドーナツ(Krispy Kreme Doughnuts)」が出てきますが、それのことではなく、
日本語の「勘」「経験」「度胸」の頭文字をとったものです。
何かトラブルが起きたとき、過去の「経験と勘」すなわち自身が体験してきた過去の基準に打開策を見つけ、「度胸」によってその施策を実行に移すことを指します。
これはしばしば問題視されており、トラブル対応が属人化してしまったり、根本的に原因が異なるトラブルに対応できない、と言われています。
昨今はこれに「データ」を加えた「KKDD」でトラブルに対応してきましょう、という論調もみられます。
そしてその「データ」を手に入れるために「アンケート」というものは良く用いられます。
というわけで今回はアンケートのお話です。アンケートの特徴三点、すなわち、
【1】メリット
【2】特殊性
【3】限界
について考えてみたいと思います。
まずはメリットについて。
アンケートのメリットを三点に集約すると以下になるかと思います。
①(ヒト・モノ・カネの)低コスト性
多数の人々を対象に同一期間あるいは同一時間に短時間で実施できるので、調査者の時間的・労力的・経済的負担が少なく効率が良いです。
また、回答者は比較的自由なペースで好きな時によく考えて回答ができるため、時間的束縛が少ないです。
分析も主にデータを数量化して統計的に分析するため、1件ごとにかかる入力や分析の時間も短くて済みます。
②多様性
個人の態度、欲求、感情などの心理的要因、経験、行動など、多様な視点から多様な人々に幅広くたずねることができ、回答者の特性を多面的に把握できます。
③併存性
インタビュー、実験など他の調査法と併用しやすいです。
相互補完的に調査を行うことで、データの精度をより高めることができます。
まとめると、アンケートにはコスパをはじめ様々なメリットがあります。
これだけみるとアンケート最強説を唱えたくなりますが、
そうでもないぞって話をまた次回、
アンケートの特殊性の観点から述べたいと思います。
■参考文献
鈴木淳子(2016)「質問紙デザインの技法」, ナカニシヤ出版.
【見えないモノを見ようとしがちな大学職員】