Society5.0時代に生き残る大学職員は「だれ」か(その②)
今回は以下の記事の続きになります。
daigakushokuin2020.hatenablog.com
前回、少子化と技術革新の観点から、
「大学職員は存在を危ぶまれる」
と述べました。
今回はその続きとして、Society5.0時代に生き残る大学職員像について考えてみたいと思います。
いきなり身もふたもない話をしますが、
「こうすれば大学職員は絶対に生き残れる!」
「このスキルがあれば大学職員は将来安泰!」
なんてものはないかなと思っています。
それはSociety5.0の世界がまだまだ予測不能だからです。
特にAIがなにをどこまでできて、なにができないか、明らかになっていないことが予測不能の主な原因だと思います。
そもそもAIの定義すら専門家の間でまだ定まっていないようです。
たしかに生き残りに必要なスキルをある程度予測することはできます。
例えば経団連と大学の代表者が公表した「Society5.0に向けた大学教育と採用に関する考え方」からそれを読み取ることができます。
上記の4ページではSociety5.0に求められる人材について、
「最終的な専門分野が文系・理系であることを問わず、リテラシー、論理的思考力、規範的判断力、課題発見・解決力、未来社会の構想・設計力などが求められる。これらの能力の修得には、基盤となるリベラルアーツ教育が重要。」
と書いてあります。
なお、リテラシーとは
「数理的推論・データ分析力、論理的文章表現力、外国語コミュニケーション力」
などを指すようです。
これらは主に大学教育の文脈において語られているため、
今後社会を担っていく「学生」の話ではないか、とも考えられますが、
同ページに
「社会人リカレント教育を拡充し、継続的に学び直し、それを評価していくことが必要」
と記載されており、今後(あるいはすでに)社会人にも要求されるスキルであることが示唆されています。
また、AIが前回の記事の想定通り、
IoTによって収集されたビッグデータから有効な打ち手を考えることができるようになるのであれば、
その打ち手をリアルな世界に反映させる、いわゆる血を通わせるようなスキルは、
人間に求められるのではないかと思っています。
このあたりは生き残りに必要なスキルなのかもしれません。
ただ、「VUCA」ということばが表すように、不確実性の高い未来では、
どんなスキルが風化するかは予測がつききらないところがあります。
先ほどご紹介した経団連と大学が示す各種スキルにおいても、
「データ分析力」や「課題発見力」などはAIによる代替可能性が高いと思います。
また簡単に得ることのできるスキルも風化が早いのではないかと予測します。
おそらく、時流にあわせて常に新しいスキルを身に付け続けるしか生き残る方法はないのではないでしょうか。
とすると、
「永続的に学ぶ姿勢・変化する姿勢を有していること」が、
少子化で大学の数が減り、AIに仕事の多くが代替される大学職員の生き残りのカギだと考えます。
ダーウィンが言ったとか言ってないとかでもめている名言
「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」
が今回のブログの結論となりました。
スライムのように無限に変化する「しなやか」な大学職員でいたいものです。
【見えないモノを見ようとしがちな大学職員】