大学職員の生活改善ねた

大学職員が有志で集まり、日々の仕事に役立つ情報を発信、共有していきます。仕事に直結するもの、ガジェット情報、日々の雑感、など

グレーゾーン学生、日常生活に困難さを抱える学生への支援について

管理人Iです。今回は障害学生への支援を考える第3弾です。1回目は合理的配慮提供義務付けについて、2回目は合理的配慮の検討方法について投稿しました。

 

今回はグレーゾーン学生や日常のちょっとしたことに困難さを抱える学生への支援方法についてご紹介をしたいと思います。

※ここで言うグレーゾーン学生とは発達障害の診断は出ていないが、発達障害の傾向があり、日常の学生生活にちょっとした困難さを抱える学生のことを指します。適切な表現ではないかもしれませんが、便宜上このように表記いたします※

 

【今回のポイント】

発達障害傾向の学生への支援はスモールステップで!

発達障害傾向学生への支援は日常の仕事やコミュニケーションにも使えるよ!

 

発達障害傾向にある学生は下記のような傾向を持っていることがあります。

・話を聞く・理解することが苦手

 -話を聞きながら、同時にメモが取れない

 -教員からの指示の取り違えや聞き逃しが多い

    -曖昧な指示が理解できない

・タスク・スケジュール管理が苦手

 -複数のレポート課題が出た時に手際よくこなせない

 -やることの期日を忘れる・間違える

    -決められた実験の手順を度々忘れる

・他者と会話をすることが苦手

 -会話のやり取りにパターンが少ない

 -自分から他の学生や教職員に話しかけられない

 -質問されたときに固まったり、答えることができない

 

こうした学生への配慮や支援に関して、下記のような支援が有効だと言われています。

・話を聞く・理解することが苦手

 -学生がメモする時間を十分に与える

 -指示するときは5W1Hを明確にする

 -1回あたりの指示の長さを短くする

 -録音機器を使って指示内容を聞き直せるようにする

・タスク・スケジュール管理が苦手

 -タスクやスケジュールを「見える化」する

 -やるべきタスクをより細かくする

 -進行中・完了したタスクをチェックする

 -やるべきことの〆切を決めて学生に伝える

 -「できなかった時」のことを確認しておく

・他者と会話をすることが苦手

 -会話のパターンを増やす

 -事前に想定される会話や質問を書き出しておく

 -話しかけるときの「クッション言葉」を用意する

  ・「今、ちょっといいですか」「差し支えなければ」

  ・「お手数ですが」「お時間はありますか」

 -会話の状況を思い出せるかを確認する

 -思い出せない時は改めて伝える

 

いかがでしょうか。障害学生への支援でなくても、普段の人とのコミュニケーションのなかで活用できそうですよね。

こうした支援に関連して「スモールステップ」で適切な行動で導いていくことも大切です。ものごとにはできるようになるためのステップがあるので、それを一つ一つ達成していくという考え方です。

 ・できるようになるためのステップ

 -今できているステップはどこか

 -次のステップはどこか?

 -ステップを飛ばそうとしていないか?

・やるべきことを細分化する

 -「レポートを書く」というタスクの場合

  ①資料を集める ②資料を読む ③パソコンを開く ④見出しを書く ⑤考えたことを書き出す ⑥見直す ⑦印刷して期日までに提出 という形です。これを一つずつ完了させていくことを目指します。

 

そして適切な行動ができる環境づくりも大切です。

・視覚的に提示する

 -口頭で伝えることを視覚的にも示す(逆も)

 -写真を挿入したり、流れ図を示す

・活動に興味を持てるようにする

 -参加してほしいイベントでは魅力を記載する

・ルールを前もって説明する

 -注意点や留意事項は前もって説明する

・構造化する

 -書類など前もってミスが少なくなるように書式を見直しておく

 

いかがでしょうか。皆さんの身の回りにある申請書などの書式は誰にでも分かりやすいものか確認してみてください。

 

今回ご紹介したものは発達障害学生への支援だけではなく、普段の仕事やコミュニケーションに活用できますのでぜひ実践してみてください。

 

<参考>

発達障害の特性(代表例)|厚生労働省

http://www.ja-shizuoka.or.jp/k-honsyo/step/step479.html

 

 【管理人:I】