大学職員の生活改善ねた

大学職員が有志で集まり、日々の仕事に役立つ情報を発信、共有していきます。仕事に直結するもの、ガジェット情報、日々の雑感、など

パッと意思決定するために必要なツールは「なに」か

例えば外食に行くとき、お店をどうやって決めますか?

 

食べたいものがあるか、価格、立地、お店の雰囲気などの点から、総合的に判断することが多いかと思いますが、

最近では「食べログの評価・ランキング」を見て決める、という方もいるのではないでしょうか。

 

食べログの評価のように、一人ひとりの意見やデータが集約された「数字」は、全体的な傾向を端的に示しており、意思決定を後押ししてくれます。

 

組織では会議など、複数の人間が顔を突き合わせて(あるいはここ最近はビデオ通話でつながって)、何かを決めるシーンが多いですが、

客観的な数字があれば、構成員の納得感を生みやすく、意思決定はスムーズに進みます。

 

 

ここでは例として、学生の満足度を上げるための方法について話し合う、とある大学の会議シーンを考えます。

 

会議の資料として学生のアンケートの集計結果が提出され、

「図書館で専門図書の数が少ないことに不満だ」という回答が80%を占めていた、とします。

 

これを見たら「じゃあ満足度向上のために専門図書を増やそう」という意思決定ができます。

 

が、今度は「どの分野の専門図書を買うか?」という議論になります。

 

アンケートの集計結果の資料に学部や学科別の結果が記載されていればこの議論も決着できそうですが、

その資料が準備されているとは限りません。

 

資料がないと、

「じゃ、どの分野の専門図書を買うかは、また再来週の会議で」

と意思決定は先送りになってしまいます。

 

これは結構あるあるで、会議や話し合いの場面で「これとあれを別々に集計した結果はないの?」「この視点から分析した資料はないか?」みたいなことは良く起こります。

 

そのとき、その疑問やニーズに応じた結果を「パッと」出すことができると、

意思決定は先送りにならずにすみます。

 

そして、結果を「パッと」出すことができるのがBI(Business Intelligence)ツールです。

 

BIツールについては説明するより見てもらったほうが早いと思い、

活用している事例をいくつか列挙します。

 

■ さいたま市新型コロナウイルス感染症患者の発生状況

www.city.saitama.jp

 

九州大学 Interactive Fact Book

www3.ir.kyushu-u.ac.jp

 

■ 東京都「2020年に向けた実行プラン」事業実施状況レビュー

app.powerbi.com



上記の例からBIツールの特長を考えると以下の二点に集約されます。

 

①データを「パッと」見やすいグラフに変換でき、直感的に傾向が理解しやすい

 

②作ったグラフが動くので、疑問や着眼点に応じた結果を「パッと」表示できる

 

それ以外にもデータ同士を簡単に紐づけたり、大量のデータを一度に扱えるなどの特長もありますが、

ちょっとデータベースっぽい話になるので今回は割愛します。

 

なお、BIツールのBはビジネスのBである通り、大学業界と比較して企業ではより浸透しているようで、

ビジネスの場面ではBIツールは「PDCAサイクルを高速回転させるツール」とも言われているらしいです。

 

PDCAは組織が行う様々な活動を以下の四種類の過程から管理するフレームワークです。(ということをご存知の方も多いと思います)

 

①Plan(計画):目標を設定し、それを具体的な行動計画に落とし込む過程

②Do(実行):計画を踏まえて具体的な行動を起こす過程

③Check(評価):行動の成果を測定・分析・評価し、課題点を洗い出す過程

④Act(改善):課題点を踏まえて改善策を検討する過程

 

計画を立てるとき(Plan)も成果を分析するとき(Check)も、

客観的なデータがあれば妥当性も納得性も上がり、

次のステップに進みやすくなります。

 

そのとき、データを「パッと」出せれば、それだけPDCAサイクルのスピードアップが見込める、という話ですね。

 

余談ですが、私の趣味の一つは競馬です。

競馬の醍醐味である「予想」をする際、かなり多くのデータを用いるのですが、基本的に数字をそのまま扱い、グラフにする文化はあまりありません。

いつかBIツールを用いて動くグラフを作成して、様々な視点から競馬予想をしてみたいなと思っています。



【見えないモノを見ようとしがちな大学職員】